子宮頸がんとHPV (ヒトパピローマウイルス)
HPV (ヒトパピローマウイルス) と子宮頸がんの関係
子宮頸がんは子宮の頸部に発生するがんです。早期にはほとんど症状がないことが多く、進行するにつれ生理以外の出血や、性行為による出血、腹痛や血尿などの症状が出現することがあります。
前がん病変や、早期がんのうちに発見されれば比較的治癒しやすいがんとされていますが、早期であっても子宮摘出の必要となることが多いです。進行すると治癒は難しくなります。
子宮頸がんは国内で年間11,000人程度が新たに診断され、2,900人程度が子宮頸がんによって死亡していると報告されています。
比較的若い年齢層に多いがんで、年代別にみた子宮頸がんを発症する割合は、20代から上昇し、40代でピークを迎え、その後徐々に下降していきます。
子宮頸がんの患者さんの90%以上にHPV (ヒトパピローマウイルス) 感染が認められます。
HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスであり、200種類以上の型があります。粘膜に感染するHPVのうち少なくとも15種類が、悪性腫瘍高リスクHPVと呼ばれており、子宮頸がんをはじめ、中咽頭がん、肛門がん、腟がん、外陰がん、陰茎がんの原因にもなっていると考えられます。
HPVは一般に性行為によって感染することが知られています。
HPVに感染しても、全例ががんになるわけではなく、長期間持続感染した場合にがんが発生すると考えられています。